2015年 09月 07日
レシピ
それで久しぶりにタルトを焼いてみたくなった。CORBの定番だったりんごのタルト、店をやめてから一度も作っていなかった。作らないので作り方まで忘れていた。今日のところは古いメモを手がかりに、身の回りにある材料でタルト生地だけ小さく焼いておやつにした。大切なブラムリーをタルトで焼くのは後日に。やれやれだなぁ。大まかに思い出せただけ良かった。いよいよボロボロのメモを何とかする時だと思った。
度々の家の大掃除の際、とりあえずは今までのレシピのノートとメモをとっておいた。自分の中の奥深いところにあるものを試行錯誤しながら形にしていった記録はほとんどが自分でもなんのことだかわからない。まだ多少の記憶があるうちに整理しようと思いつつ、全くやらずに今に至っていた。店で作っていれば完成形のレシピは体で覚えてしまうので、ちゃんと書いておく必要がなかった。間違いがないか確認のために走り書きしたメモだけ。
伝票の裏に書かれたバラの花びらのサブレってのがでてきた。バラの香りがする薄い白いサブレを立体的にお花の形に焼き、中心に雄しべと雌しべをひそませていた。花びらがひらひらして繊細すぎてお持ち帰りも不可能で、買って下さった方は店内で召し上がってくれた。店が暇過ぎたためこのサブレを知っている人はほとんどいない。その時のお客さまは今でも覚えている。そういうことは記憶している。9年前は野に咲く草花が美味しいことを知らなかったけど、お花を食べたいイメージがあったんだなぁと面白い。
レシピは月日とともに変わっていて懐かしんでもキリがないので今に焦点を合わせてまとめている。
もしもだれかがふとCORBのパンやお菓子を思い出してくれておうちで作ってくれたら嬉しいなぁと思うので、何かのかたちにしようかと考えてみる。みんなが知ってれば例えば私が突然オートミールマフィンが食べたくなった時、誰かに頼めば焼いてもらえる、、なんてことができたりして。
日が暮れて暗くなり、書きものができなくなってきた。居間に机(兼食卓テーブル)を戻そうとして、机の上があまりにも騒然としていることにはっとする。こりゃあレシピもなにがなんだかわからなくなるわけだと妙に納得できた。
飽きて違うことをして作業がぜんぜんはかどらなかった。カッターと糊でなにも関係ない地図を作ってみたり、面倒に思っていた間引きにやる気を出し、土のついたままのハサミを置きっぱなしにしている。先がおもいやられる。なるべくがんばりたいので日記に書いておく。手伝ってくれる友よ、いないかなぁ。
2015年 09月 03日
響き合う
野のような庭は日々移り変わり毎日新しい発見がある。いつでもすべてが響きあい、いろんなことを伝えてくる。
植物たちが持つ豊かさは無限で、使いみちを考えるのが楽しい。
まずは食べられるかどうか。効能にはこだわらず、美味しいと感じれば、いただく。それが自分に必要な栄養だと思う。
葉っぱより、蕾をよく食べる露草。軽くめくると、これから青い花になる赤ちゃんが丸まっているよう。口に入れると小さな豆が弾けるみたいでサヤエンドウにも似ている。さっと茹で、ちぎった生の小松菜の葉っぱと合わせ、玉ねぎのすりおろしで和えたシンプルなグリーンサラダにした。
好きと感じる香りも体に必要なもの。
夏の間摘み取っては花瓶に生け、台所の風の通りみちに置いていたラベンダー。数日したら後はずっと窓辺に吊るして楽しんでいたのですっかり香りは弱くなっていたけれど、それでポプリを作った。ラベンダーの花穂に少し柑橘の皮を足して混ぜ、塩と交互にガラスに入れ、層にする。しばらく経ったら時々かき混ぜる。そしてそのまま熟成させる。日が経つにつれ素晴らしい香りになる。去年同じようにして作ったものはまだまだバスソルトにするにはもったいない。今日は野ばらのポプリを枕元において寝る。
眠る前にレモンバームのお茶が飲みたいけれど、外はまた雨。星も見えないのにわざわざ懐中電灯と傘の両方を持って摘んでくるのがなんだか億劫。茶葉、なんかなかったっけと探しても何にもない。
「あっ。よもぎ。」
春は柔らかい芽だけを片手に握れるだけ摘んで来てお団子や蒸しパンをよく作った。今の季節はもう苦いので蚊よけに夕方刈り取っていた。よもぎ茶であたたまりながら改めてその万能さに感謝する。残ったお茶で明日の朝、顔を洗う。
日中は晴れ間もあったので、絡まりながらどこまでも伸びる山葡萄の蔓で籠を編んでいた。難しい、面倒と思うことは省いてとりあえず好きなようにやってみる。気が向けばまた明日その続き。すごく大雑把でも、十分に暮しの役に立つのが嬉しい。ハッピーだなぁと感じることが大切。
2015年 08月 31日
すももの思い出
コーヒーを淹れて、オートミールパンケーキを焼く。お砂糖は入れず、焼きたてに定番のココナッツオイルをたっぷり塗る。その甘い香りだけでなんにもいらないけれど、今日はちょっぴりすももジャムを添える。
この夏、縁あって山梨の勝沼町で無農薬の立派な貴陽をたくさん収穫させてもらった。列車一人旅だったので、持ち帰れない分は自宅に送った。毎朝毎朝搾りたてのすももジュース。明るさのある深いピンク色、とろりとしてぷるっぷるでまるでゼリー。贅沢で素敵だったなぁ。置いておくと蟻たちが群がり食べるので負けてはなるまいと一日中延々と食べていた。それでも夏真っ盛り、どんどん熟していくのでジャムも大量に作った。そのほとんどは妹に送った。パンも焼いて一緒に。
ところで、私が住んでいる長野県信濃町は、国内では森林セラピーの先駆けで、「ひとときの会」という森林療法研究会がある。あらゆる分野から森と人との関わりを研究していて、木、動物、薬草のこと、呼吸法、ヨガ、アロマテラピーももちろん、歴史、運動の分野、、と色んな森の先生がいる。すももジャムを作った時、草木染めにも詳しい「ひととき」の会長さんがおまけの遊びで教えて下さった事を思い出し、アクをとった真っ赤な色水で布巾を染めてみた。みるみる鮮やかに染まった桃色はご助言のとおり何度か洗いをかけると落ちてしまった。
台所から流れていってしまえば消えるだけの夏の色。雨でほの暗い朝には淡く残った藤色が尊く見える。
2015年 08月 23日
曇時々雨
2015年 08月 21日
晩御飯
籠に山盛りのミニトマト。なすとししとう。さっき焼いたピタパン。
ぷくーっと膨らむのが何度作っても嬉しくてよく作る。私は全粒粉100%、塩、酵母だけが好きだけど、普通のパンの生地で大丈夫。むしろその方がやりやすい。全粒粉やライ麦なんかが入るとつながりずらいのです。生地が発酵したら、げんこつくらいの大きさに切り分ける。なるべくきれいに表面をつるりと丸める。麺棒で平らにのばす。休ませながら少しずつ少しずつ生地が切れないように薄くできると、風船みたいに膨らむ。十分に熱しておいたフライパンに伸ばした生地を置くと、じょじょに膨らみ始める。そしたら弱火。そのままどんどん隅々まで膨らんだら完成。(膨らみ始めた時、ひっくり返す。それも隣のガス台で直火にかけるとぐっといい感じになる。)
スプレッドにアボカドがあれば最高なんだけど、ないので、豆乳でカッテージチーズ風のものを作る、あとマイマヨ。
これもよく作る。無調整豆乳(250g)を湯煎で50度に温めたら火から下ろしてレモン汁(大さじ1。お酢でもできる)をポタポタと少しずつ入れる。ほんとに大体30秒から1分放置。温度計がない場合、50度は、指を入れて3秒我慢できるかな、5秒はぜったい無理だっていうくらいだった。しばらくするとタンパク質が水分と分離して固まっていく。(時々均等に熱をとるようなイメージでふわっと混ぜてもよい。)だいぶ冷めてもったりしたらガーゼやコーヒーフィルターなどで水切り。その間は冷蔵庫にいれて置く。私はドーナツドリッパーを使っている。邪道すぎるけどちょうど良すぎる。マイ味噌で味付けするだけでとびきり美味しい。(この時はよくかき混ぜて滑らかにする。)日持ちしないので、きつめに塩こしょう、にんにくかエシャロット、玉ねぎやチャイブなどを刻んで入れたら少し保つ。さらにオリーブオイルも入れたらbouRsinみたいになるよ。