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響き合う

朝、沢に降りると曙草が咲いていた。
野のような庭は日々移り変わり毎日新しい発見がある。いつでもすべてが響きあい、いろんなことを伝えてくる。
植物たちが持つ豊かさは無限で、使いみちを考えるのが楽しい。
まずは食べられるかどうか。効能にはこだわらず、美味しいと感じれば、いただく。それが自分に必要な栄養だと思う。
葉っぱより、蕾をよく食べる露草。軽くめくると、これから青い花になる赤ちゃんが丸まっているよう。口に入れると小さな豆が弾けるみたいでサヤエンドウにも似ている。さっと茹で、ちぎった生の小松菜の葉っぱと合わせ、玉ねぎのすりおろしで和えたシンプルなグリーンサラダにした。
好きと感じる香りも体に必要なもの。
夏の間摘み取っては花瓶に生け、台所の風の通りみちに置いていたラベンダー。数日したら後はずっと窓辺に吊るして楽しんでいたのですっかり香りは弱くなっていたけれど、それでポプリを作った。ラベンダーの花穂に少し柑橘の皮を足して混ぜ、塩と交互にガラスに入れ、層にする。しばらく経ったら時々かき混ぜる。そしてそのまま熟成させる。日が経つにつれ素晴らしい香りになる。去年同じようにして作ったものはまだまだバスソルトにするにはもったいない。今日は野ばらのポプリを枕元において寝る。
眠る前にレモンバームのお茶が飲みたいけれど、外はまた雨。星も見えないのにわざわざ懐中電灯と傘の両方を持って摘んでくるのがなんだか億劫。茶葉、なんかなかったっけと探しても何にもない。
「あっ。よもぎ。」
春は柔らかい芽だけを片手に握れるだけ摘んで来てお団子や蒸しパンをよく作った。今の季節はもう苦いので蚊よけに夕方刈り取っていた。よもぎ茶であたたまりながら改めてその万能さに感謝する。残ったお茶で明日の朝、顔を洗う。
日中は晴れ間もあったので、絡まりながらどこまでも伸びる山葡萄の蔓で籠を編んでいた。難しい、面倒と思うことは省いてとりあえず好きなようにやってみる。気が向けばまた明日その続き。すごく大雑把でも、十分に暮しの役に立つのが嬉しい。ハッピーだなぁと感じることが大切。

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by tamakisatake | 2015-09-03 22:31